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足場からの転落防止措置が強化されます!
日本の建設現場では、1日に一人以上の尊い命が失われています。
厚生労働省がまとめた2022年の労働災害発生状況によると、建設業全体の死亡者数は281人で全産業の36.3%を占め、業種別で最も死亡者数が多くなっています。
死亡者数281人のうち「墜落・転落」で亡くなったのが116人と死亡災害の4割以上を占めています。
また、統計に含まれない一人親方の年間死亡者数は72人で、その64%を占める46人が「墜落・転落」によるものです。
合算すると年間353人となり、毎日一人が建設現場で命を落としている計算になります。その原因の多くが足場などからの墜落や転落であり、極めて憂慮すべき状況にあります。
こういった状況を受け、厚生労働省では足場に関する法定の墜落防止措置を定める労働安全衛生規則を改正し、足場からの墜落防止措置を強化しました。
規則は、令和5年10月から順次施行され、一部規定(一側足場の使用範囲の明確化)については今年4月より施行されます。今回は、その一部規定について詳しくみてみましょう!
具体的には、「事業者に対して本足場(建築物の外壁面等に沿って、建地(支柱)を二列設置して組み立てる足場)を使用するために十分幅がある場所(幅が1m以上の場所)においては、本足場の使用を義務付ける。
ただし、つり足場を使用するとき、又は障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なときは、この限りでない。」という規定が、労働安全衛生規則第561条の2として新設され施行されます。
(1)事業者は、幅が1メートル以上の箇所において足場を使用するときは、原則として本足場を使用しなければならない。なお、幅が1メートル未満でも可能な限り本足場を使用することが望ましい。
(2)「幅が1メートル以上の箇所」とは、足場を設ける床面において、当該足場を使用する建築物等の外面を起点としたはり間方向の水平距離が1メートル以上ある箇所をいう。足場設置のため確保した幅が1メートル以上の箇所について、その一部が公道にかかる場合、使用許可が得られない場合、当該箇所が注文者、施工業者等、工事関係者の管理の範囲外である場合等にあっては、「幅が1メートル以上の箇所」に含まれない。なお、事業者は、足場の使用にあたっては、可能な限り「幅が1メートル以上の箇所」を確保すべきものである。
つまり、一部の例外を除き、一側足場ではなく本足場(二側足場)を使用することが原則となるということになります。
一部の例外は下の図説のとおりです。
施工管理者は図面や現調資料から足場を設置するスペース(幅)を確認した上で、適正に積算および工程管理をする必要があります。
また、現場作業員は作業前に足場の点検を行い、適切な足場が適切に設置されていることを確認してから作業を開始することを徹底しましょう。
足場から話は変わりまして、墜落制止用器具(フルハーネス)については、2019年2月から労働安全衛生法が改正され、器具の名称が「安全帯」から「墜落制止用器具」に改称され、2メートル以上の高さで作業する場合はフルハーネスを着用することがすでに義務化されています。(建設業の場合、5メートル以下であれば胴ベルト型の使用可能)
2024年は『労働災害ゼロ』を目標に、安全衛生管理をこれまで以上に徹底して同僚と自分自身の安全を守っていきましょう!
【担当】 管理本部 採用・人事担当課長 椛本 人事直通 080-08201-1033 メール kabamoto@takumi-denki.net |